コンサル、天上人問題について
事業会社に降りてくる
ベンチャーに努める友人からの相談を受けました。
「コンサル出身のXXさんが現場感が無い」と
聞けば、戦略ファーム出身者と折り合いがなかなか合わず、困っていると。
別にそのファーム出身者に悪気があるわけではないのだが、事業の現場の人の動きや施策の現実味が判断できないから、現場感のない数字合わせが仕事になってしまうと。
飛ばされる元コン
これは、コンサル出身者を抱える企業でよく聞く話だと思います。
私も新卒で入った会社で、マッキンゼーやブーズから来た人が上司だったことがあります。
そして、コンサルから来た人はみんな、軒並み”現場感”を身に着けるのに苦労していました。
というか、”現場感”がなく、現場メンバーから信頼されず、サービスを作るチームから外される人がほとんどでした。
これは、マッキンゼーでも、ブーズでも、ATカーニーでもどこから来た人でも同じで、みんな苦労した末に、サービスやプロダクトを作る現場から管理部門やリサーチ職のような仕事に飛ばされていきました。
なぜ、なじめないのか?
①時間的スコープのズレ
コンサルファームでする仕事は、主に5年、10年後にどうするか?という話です。ピュアな戦略案件になればなるほど、案件の時間軸や抽象度が上がります。
このような案件ばかりになれると、自然に長期的に業界変動やマクロ環境の変化を意識して物事を考えるようになります。
一方で、日々、目の前の顧客やユーザーと向き合っている現場担当者は、そのようなマクロ環境の変化ではなく、目の前の顧客の心理変化を敏感に感じ取って、行動しています。
「マクロとミクロの分析を行き来するのが、戦略立案の肝だ」と言うコンサルタントもいますが、実際ミクロなレベルの分析をリアリティをもってできるコンサルタントは少ないのではないでしょうか。
②クライアントに寄り添いすぎる
コンサルティングワークは結局は、「目の前の相手を納得させるかどうか?」というゲームです。
これは、「100人の顧客からできるだけ多く案件を取ってくる」営業というゲームや、「100万人のユーザーにできるだけ多く課金してもらうサービス企画というゲームと根本的に構造が異なります。
事業会社で働いている元コンサルは、結局上位者が何を考えており、それに応えるためにはどうすれば良いか?を起点に仕事をしている人が多いように見えます。
この仕事のスタイルは、目の前のクライアントが納得するアウトプットを出せば終わりのコンサルティングでは正解ですが、事業会社などでユーザーに向き合っている現場担当者からすると奇異に映ります。
このようなスタンスが原因で現場担当者から嫌われているコンサルタント出身者も多いのではないでしょうか。
メルカリに転職する理由
なぜ、メルカリに転職するのか?
少し落ち着いたとはいえ、上場直後くらいでも知人の中でメルカリに転職する人が多くいました。
一方で、SOがもらえない上場企業になぜ、転職するのか?という疑問を持つ人も私の身の回りでは一定いました。
メルカリのような上場したてのメガベンチャーへの転職理由としては、①待遇が良くなる、②やりがいのあるプロジェクトが走っている、③魅力的なチームで働きたい、の3点があるように思います。
いずれも、特にエンジニアのような流動性の高い職種においては、転職を検討するに足る動機に思えます。
(一方で、マネジメント経験が重要になるビジネス職においては、プロモーション速度が現職の会社に居た場合と比較してどうなるのか?を考えることも重要かと思います)
①待遇が良い
メルカリの給与レンジは公開されていませんが、Web/IT業界の中では、かなり高い水準のようです。
基本的には年収アップのオファーの様で、私の知人は他のメガベンチャーからの転職で年収が1.2倍でのオファーだったようです。回りを見ても大体、それくらいの伸び率でのオファーになっているようです。
また、メルカリは給与以外にも、ライフイベントに応じたサポートやストレスフリーな労働環境の提供など、福利厚生が充実していることも有名ですね。
②やりがいのあるプロジェクト
やりがいのあるプロジェクトを仕事を選ぶ上で、最重要にする人も多いと思います。
私が昔働いていた会社でも、収益部門のゲーム事業を、やりがいが分からないという理由で嫌がる若手は一定数いました。
メルカリでチャレンジングな仕事といえば、アメリカ事業とメルペイですね。
私の知人も多くはメルペイ事業に関与しているようです。
一方で、アメリカ事業はなかなか厳しそうですね。
③魅力的なチームで働く
メルカリはあらゆる会社の中、最もリファラル採用がうまくいった会社の一つでないでしょうか。
創業チームが経験値高く優秀だったこと、その人脈で優秀なWeb界隈の人材をヘッドハンティングできたこと、その人材がまた前職の優秀な人材をリファラル採用で連れてくること。
このリファラル採用のサイクルがうまく回ったことで、メルカリには優秀な人材が多く入ってきたのだと思います。
メルカリで働く知人数名の意見を総合すると、
「メルカリはまったり、それなりに良い給料で働く場所としては良い」
という結論のようです。
いまから転職しても、成長期ではないので上位ポジションが多く空いているわけではないし、チャレンジングな仕事を求めて転職する感じではなさそうです。
スタートアップに転職する前にメガベンチャーを経由した方が良い理由
私自身は新卒でメガベンチャーに就職し5年ほど働いたあとに、コンサルティングファームに転職しました。
※メガベンチャー=上場後の大手IT/インターネット企業。楽天、ヤフー、DeNA、サイバーエージェント、M3、メルカリなど
一方で、メガベンチャーで働いていた友人の中には、他の大手企業(SONYや博報堂など)、同じ様なメガベンチャーに行った人、スタートアップに転職した人、起業した人がいます。
みな、楽しそうに生きていますが、やはり、スタートアップに行った人は、フィットするまでに数回転職して居る人が多くいる印象です。
企業の規模が小さく、事業の不安定性も高いスタートアップにおいては、1回の転職で自分が想定していた条件を確保することは想像以上に難しいのだと思います。
例えば、思っていたほど事業が伸びない、社長がパワハラ、社内がぎすぎすしている、改善する見込みのないデスマーチ、想定していたSOが付与されない、仮内定していたポジション(CxO)が他の人に取られるなどなど、想定外のことはいくらでも起きます。
私は個人的には、他業界(SIer、コンサル、金融、製造等)から転職する際は、一度メガベンチャーを経てからスタートアップに行くことをお勧めします。
メガベンチャーはスタートアップより高い給与で(その分、アップサイドも薄いですが)、スタートアップで経験する一部業務を経験でき、大企業よりは社内全体を見回すことができます。
そして、メガベンチャーで働くことの最大のメリットは、ネットワークの構築ができることです。
他業界からスタートアップに直接行ってしまうと、あなたの知り合いはスタートアップにいる数十人以上増えません。業務に忙殺されて、人脈開拓にいそしむ時間もありません。
一方、メガベンチャーであれば、1000人以上の従業員がおり、さらに社内イベント等も積極的に開催されているのでその気になれば業界内で人脈を一気に拡大することができます。
今時のメガベンチャーはどこもそんなに忙しく働いていません。
(メルカリに行った知人たちは口をそろえて「まったりしてる」と言っています)
このネットワークは、不安定なスタートアップで活きるときに大変役に立ちます。
まず、最初にスタートアップに転職して「失敗した」際に、ネットワークを使ってすぐに転職することができます。
インターネット業界は人材の流動性が高いので、3年たてばみんなちりじりにいろんなとこに転職します。
したがって、その会社でポジションが空いていれば、その会社に比較的難易度低くジョインすることができます。(発展フェーズの産業なため、比較的空きポジションは多いと思います)
そして、知り合いから会社の内実を事前にヒアリングすることで、事前に実際の労働環境を知ることができます。
また、採用する側からしても、一度メガベンチャーで一部の領域でも実務をこなせるようになってから来てもらうことはありがたいことだと思います。
このようなメリットがあるので、他業界からスタートアップに転職する際は、まずメガベンチャーを経由することをおすすめします。
松下幸之助はなぜ二股ソケットを開発することができたのか?
「考える」とはどういうことか?という点では、考え方のプロセスに興味が向く人が大きいと思う
一方で、私は最近、考えることにおいては、方法よりもどれくらいの時間、頻度で考えているか?の方が遥かに重要であると考えている
我々は普段考えているようで、考えていない。なんとなく上司や会社の事を考えて感情的になったり、スマホでTwitterを眺めてすぐに忘れる情報を取り込んでいる
一方で、考えるという行為は意識的にしないと絶対にできない。なんとなく考えるくらいの状態は、「考えている」とは言いづらい
よく考えている人と言うもの
職場には一人や二人、モノゴトを他人の一歩や二歩深く考えている人がいるものである
こういう人は、四六時中何かを考えていて、特に皆がなんとなく過ごしている電車の中や歩いている時に何かを思考しているのだと思う
特に、メモやパソコンを使わずに思考すると脳内にしか情報を保存できなくなるので脳のメモリを鍛えるのに有用だと思う
松下幸之助はなぜ、二股ソケットを考案できたか?
(正確には、松下幸之助は二股ソケットを考案したわけではなく、改良しただけの様だ)
松下幸之助は、町で通りすがり、姉妹がアイロンを使うか、本を読む為に電灯を付けるかで口論しているところを目撃した。(当時は、各家庭には電灯用のソケットが一つしかなかったようである)
この光景を見て、幸之助氏は二股ソケットの必要性を痛感し、開発に勤しむようになった。
この光景はおそらく当時の家庭や街中では当たり前の光景ではなかったのか?
なぜ、松下幸之助だけがこのビジネスチャンスに反応できたのか?
私はそれは、「松下幸之助が歩きながら事業アイデアを考えていた」からだと思う
多くの人が反応できず何気無く流していた光景が、新規事業を悶々と考えていた松下幸之助にとってはとても重要な出来事に感じたのだと思う
マスターマインドと三人いれば文殊の知恵
1週間弱で大手企業の全社注力レベルの新規事業策定支援の提案を行う、というタスクが今週終わりました
提案書の作成は先輩2人と後輩1人でディスカッションしながら行いました
検討期間も短期であり、全くどうすればよいかわからない状態で、よく纏め上げることができたと思います
3人いれば文殊の知恵と言われるけど、この仕事をしていると本当に、よくわからないことでもコミットメントが高く一定以上のクレバーさがある人が集まるとなんとかなるものだと感じることがあります
成功哲学とは、こういう少人数のチームのことをマスターマインドと言うそうですね
2:マスターマインド | ナポレオン・ヒル財団アジア/太平洋本部
一人でできることはたかがしれています
キャリアの醍醐味は、このようなチームで何かを成し遂げた経験を多くすることなのではないでしょうか
考えるということ
「考える」ということは、意志せずに行うことができるものの、「より高いレベルで思考する」ことを思考した場合に、どうすればよいのか以外に難しいものです
考える=価値のある情報を生み出す、としたときに、どのように考えることができるかは、人それぞれ一家言あるところだと思います
私は、考えるということを以下の3つのステップに分けて考えています
そして、考える力を鍛えるという時に、そのステップごとに鍛え方というのは異なり、それぞれ別個に意識して鍛える必要があるものと考えます
考えるプロセス
- 【細分化】総体としてのモノゴトを意味のある区切りで細分化する
- 【判断】細分化した各要素の中で、何が重要なのかを決定する
- 【収集】見出した重要な要素が価値を発揮/増強できる外部要因を決定する
- 【統合】上記要素が現実性を持って実現できるように統合する
「細分化」する力の鍛え方
「考える」最初のステップの細分化は、経営コンサルタントに求められる能力の中でも特に重要なものです
これがないと、経営をどうするか?国家をどうするか?10年後はどうなっているか?といった抽象的なテーマの検討が全くできないからです
これらテーマを重要性を判断できるような適切な軸で切り分けていくのが経営コンサルタントとしての腕の見せ所です
鍛え方としては、できるだけ抽象的な問題に取り組む際に、どのような切り口があるのか?をできるだけたくさん挙げてみるのが良いでしょう
- 世界はどうすれば、平和になるか?/豊かになるか?
- 日本が国家として競争力をつけるには?
- 自分の会社はどうればもっと生産性をあげられるか?
- この商品はどうすればもっと売れるか?
- 自分はどうすればもっと幸せになれるか?
これらテーマを検討する切り口を考える訓練をすることで、様々な機会で応用できる細分化する力が身につくと思います
自分は社会のどこで何をすべきなのか?
自分が社会のどこで、何をすべきなのか?ということを最近よく考える
それは、今の仕事が自分の能力以下で苦労なくできること、さらに、あまり社会を変えるような仕事ではないことに由来していると思う
また、将来を考えたときに、どこで何をしていると時代の流れとそれがマッチして、自分の価値(得られる報酬と社会への価値発揮)が最大化するのか?
少なくとも今の場所からはできるだけ早く離れようと思う
今いる場所を離れようとするときに、思うのは
- 初対面の人に好かれるヒューマンインターフェース
- これまでの人間関係で培ったネットワーク
は、人生の基礎的な価値になるということ
対人関係を侮ってはいけない
どんな時でもそれが一番大事で、人と接しているときに最大限価値を提供しようとする姿勢で日々を過ごすこと