IT/ソフトウェア業界でのビジネス職キャリア

IT/ソフトウェア業界でのビジネス職キャリアを考える材料を発信していこうと思います。

自省することの重要性

今日は、前職の先輩であり企業している方にお話を伺った。

一つ一つの意思決定や行動に、自分の価値観や考えが反映されており、話を聞いていて力強さを感じた。

また、そのような意思決定が社会的/表層的な価値観からは離れているが、社会の大きな流れを感じる繊細さと自身の価値観の折り合いをつけてプレッシャーはあるのだろうが淡々と成すべきことを行っている強さも感じた。

 

社会の価値観に従って、最短距離を最速で走ることも重要だと感じる一方で、「なぜ、自分はそれをやるのか?」を常に自省し続けることは重要である。

 

それは日々の流れの中で、自身の価値提供を最大化する為にも必要であるし、転職や企業などの人生の大きな意思決定においても必要である

 

自分にとって最も重要なことは何か?それは、なぜか?

多くの人は、自分の人生にとっての理念を忘れている、もしくは、考えることを怠っている

そして、そのことが本来、得られるべきものを得られなくしている大きな要因である

前提を共有することの重要性

前提を共有することの重要性

コミュニケーションにおいて、「前提」を共有することは非常に重要です。

その一方で、多くの方は、その前提を共有することを怠るので、コミュニケーションに支障が出てきます。

この「前提」を共有することが特に重要になるのは、普段からの関係性が低い人とビジネスの様なクリティカルな話題を話すときに特に、重要になります。

具体的には、コンサルティングでの顧客とのディスカッションや、転職面接です。

「前提」を共有せずに話すと、聞き手には必ず「論理的につながらない瞬間」が出てきます。「なぜ?」と思う瞬間が発生し、それがコミュニケーションを遮断し、難しくします。

したがって、関係性の薄い人と話すときは、きちんと丁寧に時間をかけて「前提」を共有する必要があります。

 

なぜ、前提を共有しなくなるのか?

多くの人が前提を共有せずに話すのは、自分と同じ環境にいる人としか話す機会が無いからです。

同じ学校のクラスメイトとしか話さない学生や、外部と接触が無く内勤者同士でしか話さない会社員は「前提」を共有する癖や習慣が身につきづらいのです。

 

前提を共有するだけで人の納得感は大きく変わります。相手に話が通じていない場合は、自分が前提を共有しているかをチェックしましょう

 

 

コンサルで求められる語彙力について

コンサルとして働いていると、他のファームが作成した資料を見る機会が多々ある。

コンサルタントが作る資料は、構造化と1スライド1メッセージを旨としているので、たいてい似通った資料になっている

しかしながら、様々な資料の中でも「圧倒的な存在感を放つ資料」が存在する

どのような資料が存在感を放つのか、を考えることは、どのような仕事をするとコンサルタントとしてインパクトを残せるのか?を考える良い契機になると思う

 

私が思うに、インパクトのある資料というのは、以下の2つを兼ね備えている

1、言い切ること

インパクトのある資料というのは、まず、クライアントを取り巻く環境やクライアントがすべきことを言い切っている。「あなたは、こうすべきである」と

そこには、~と思われる、~と考えられる、~と思料される、と言った表現は使われない。書き手がこれが解である、と覚悟をもって宣言したセンテンスであることが、インパクトを生むためには欠かせない

 

これはコンサルタントとして働いたことがある人なら分かると思うが、コンサルタントの立場で何かを言い切ることは胆力がいる。自分がその分野の専門家でなくても、ファクトとロジックにより、「こうでしかありようがない」と思える域に行くには結構な労力も必要となる

 

2、語彙が豊富なこと

語彙が豊富な資料も存在感を放つ。まずは、書き手の知性が感じられる。その知性が、コンテンツに対する一種の保証の役割となっている。

さらに、重要なことは豊富な語彙で表現されることにより、コンサルタントが言わんとすることがより正確に伝わる。さらに、読み手にとって、コンサルタントが言わんとすることを臨場感を持って理解することは、納得感とその後、行動を起こすための重要な要因となる

 

以上の理由から、コンサルタントは豊富な語彙力をもって、クライアントの状況となすべきことを言い切ることに丹精を込めなければならない

コミュニケーション力を分解してみた

コミュニケーション力が重要だというのは、誰しも納得する話だと思います。職場であれ、学校であれ、私的な集まりであれ、コミュニケーション力があると、人と良い関係を構築し、楽しい時間を過ごすことができます。

それでは、このコミュニケーション力とは何を指しているのでしょうか。コミュニケーション力を自分なりに分解したいと思います。

 

感じが良い

まず、大前提として”感じが良い”ことが重要です。身の回りの人を思い浮かべればわかるとおり、人には感じの良い人と、あまり感じの良くない人がいます。この差は何でしょうか?

リラックスしている

感じの良い人はいつもリラックスしていて、表情が穏やかです。ニコニコしている人もいるでしょう。人はリラックスしていないと、筋肉が緊張して引きつった表情にしかなりません。したがって、いつもリラックスしていることは重要です

エネルギッシュである

エネルギッシュな人も、一緒に居たいと思わせる感じの良さがあります。エネルギッシュな人と一緒に居ると、自分もエネルギッシュになって得をするからです。エネルギッシュな人は、常に物事をポジティブな側面から捉え、無駄なエネルギーの消費をしていません。

他人への配慮がある

他人の心情にどれくらい配慮するのかも、人によって大きくことなります。他人に気配りをする人は、感じがよく、その人自身も尊敬され、周囲から大切に扱われます。

伝え方・聞き方がうまい

多くの人がコミュニケーション力というと、伝え方や聞き方がうまいという点を挙げると思います。伝え方は結論と理由が完結にまとめられており、意図が分かりやすい。聞き方は、相手が聞いてほしいと思っていること、聞くべきことを把握し、失礼な印象を与えずに聞き出せるかということです

自信がある

最後にコミュニケーションにおいて、自信があるということは核になる重要な要素です。自信もエネルギー同様に、他者に転移するので、自信を持っている人といると、その人も自信を持つことができます。

 

ミラーニューロンなどと言って、人は一緒に居る人の影響を多大に受けると言われます。それは意識的にしろ、無意識的にしろ、みな気づいていると思います。したがって、ポジティブに健全な自信をもった状態でいることが非常に重要だと改めて思います。

デジタル・ビジネスへの圧力と課題

本日は、「デジタルトランスフォーメーション」をどのように理解すればよいか?です。わかりやすくポイントをWhy?、What?、How?でまとめたいと思います。

 

大企業におけるデジタルトランスフォーメーションへの圧力、取り組みアジェンダ、課題は以下でしょうか。

 

Why?なぜ、デジタル化が必要とされているか?

  • デジタル・ディスラプターの存在。
  • 異業種からの業界参入により、バリューチェーンのショートカットや顧客行動のラディカルな変化等が発生。自社のビジネスの土台が揺らぐ可能性が高める
  • コンピューティングパワーの増大や、モバイル等のデバイスの普及により、ディスラプター参入を始めとする、変化のスピードが非常に早くなった

What?デジタルトランスフォーメーションとは何をすべきか?

  • デジタル・ビジネスは、フロントサイド(顧客へのエンゲージメント)と、バックエンド(社内業務インフラ)に分けることができます。
  • フロントサイドにおいては、1,カスタマージャーニーのデジタルへの置き換え、2,ビジネス・エコシステムの形成、3,データ経済の形成が主な論点となります
  • バックエンドにおいては、AIやRPAを活用した業務の自動化、効率化、精度向上が論点になります

How?どのようにデジタル化を推進するか?

  • デジタル化の推進が、大企業において最も課題になっていると考えます。What?(何をするか?)はお金を出せば数ヶ月で戦略コンサルティングファームが検討してくれますが、組織のデジタルアダプトは時間と胆力のいる試行錯誤の繰り返しとなります
  • 主なアジェンダは、1,アジャイル開発の導入、2,デジタル人材の採用とリテイン、3,デジタルカルチャーの組成でしょう

 

以上が、大企業が直面する主なデジタル化のアジェンダになります。

 

 

ケース面接の解き方

前回、ケース面接でやるべき3つのこととして、「論点を確認する」「オプションを提示する」「リーズニングする」という内容を書きました。

ケース面接でやるべき3つのこと - とりあえず書きますブログ

今回は、もう少し具体的に、どのようにケースを進めて行くのかを確認したいと思います。

 

テーマとしては、出題されることが多い、「〇〇(企業名/店舗)の利益を上げる為にはどうすれば良いか?」というテーマで考えてみます。

プロセスとしては、

  1. 論点を確認するための最初の分解
  2. 現状分析による課題の特定
  3. 課題の解決方法の考案

の3つに分けて考えます。

 

1,論点を確認するための最初の分解

ご存知の様に「利益」はプロフィットツーリーと呼ばれる以下の構造に分解されます。

利益が下がるということは、必ず以下の左側8つの要素のどれかに課題があるということです。

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この左側の8つの要素は、さらに細分化して考えることが可能です。但し、ここから先の細分化は、どのような切り口で検討するのかは、状況によって異なります。

例えば、販売量であれば、以下の様な分解して考えると有効なことがあります。

  • 商品ライン別
  • 地域別
  • チャネル別
  • カスタマーセグメント別
  • 新規/既存、大口/小口などの顧客タイプ別
  • 産業別

価格であれば、定価/バーゲン時の値引き価格、主力商品とサプリメンタリーグッズの価格等に分けて考えると良いかもしれません。

 

コストに関しては、以下の様な分解が効果的かもしれません。

いずれにしても、大切なことは以下です。

  • 細分化する際は、どのように切れば意味のある検討ができるのか?を意識する
  • ある程度の細分化の型は知っておく

2,現状分析の為の課題の特定

最初に1として課題を特定する為のイシューの分解を行いました。次に、この中から、どれが実際に課題であるのかを特定していきます。

ケース面接においては、この課題の分析を定量的に数字を見ながら考える場合と、ある程度予測(仮定)しながら進めていくパターンがあります。

 

いずれにせよ、課題を特定する際に、どのような背景があるのかを検討する際に、既存のフレームワークの枠組みを活用することは、時短効果やヌケモレ防止の為には有効です。よく使うものとしては、包括範囲の大きなものから順番に、PEST、5Force、3C、4Pです。

それ以外にも、マッキンゼーの7Sやアクセンチュアの考案した6バブル等の組織自体を分析する際に活用するフレームワークもありますが、ケース面接での使用頻度は少ないでしょう。

 

まず、一番大きな(包括範囲の広い)枠組みは、PESTと呼ばれるものです。Polytics(政治)、Economy(経済)、Social(社会/生活)、Technology(技術)で、どのような変化があり、それが今検討している課題にどのような(Positive/Negative)なインパクトがあるのかを検討します。

次に、業界構造を分析するのが、5Forceで、自業界の同業種とそれを取り巻くサプライヤーや買い手、新規参入者や代替品業者での動向やパワーバランスから課題に対する影響を確認します。

3C分析はもっとも馴染みがあるもので、自社と顧客と競合を比較し、検討します。ケース面接でも、競合の動向に自社への影響や顧客のニーズやチャネル選好の影響の分析は必ずすることになると思います。

商品戦略というかなり具体度の高いレイヤーにおいては、4Pを意識しておくと楽かと思います。競合と比べて、自社の商品がどのようなポジショニングなのか?機能性やデザイン性などの商品自体の魅力は?値段の高低や、ローン、サブスクリプションなどの工夫を含めた価格戦略は?チャネル展開で差はあるか?プロモーションで差をつけられていないか?等です。

 

以上のフレームワークを、今回の課題ではどのレイヤーで考えるべきなのかを意識して進めます。例えば、街のうどん屋さんは3C分析で良いかもしれませんし、化学品の素材メーカーであれば5Force分析が適しているかもしれません。

これらフレームワークを意識しながら、面接官と何が課題か?をすり合わせます。

 

3,課題の解決方法を考える

課題が特定できたら次に、解決策を考えます。解決策は幾通りも考えられるし、また、ピンとくる解決策が無い場合も多いかと思います。

ここで、まず大事なことは、解決策を考える要素と順番です。

利益の減少に対して、売上を向上する必要があった場合を考えます。考えるポイントは、Who(誰に?)、What(何を?)、How(どうやって?)です。この3要素を、基本的にはこの順番で考えていきます

売上を上げる際に、まずWho/誰をターゲットにするのか?を考えます。まず、最初にターゲットを定義しないと、何を提供してよいのか分かりません。売上向上に繋がりそうなターゲットとそのニーズを明確化するのが第一歩です。

 

次に、What/何を提供するのか?を考えます。これは、Who?で特定したターゲットのニーズに沿うものである必要があります。ケース面接のレベルであれば、想像できる範囲で想定ターゲットの課題や悩みを列挙し、提供価値を検討します。

 

最後に、How?/どのように価値を提供するのか?です。これは、商品・ソリューションをどのように顧客に届けるのがベストなのかについて、価格面やチャネル展開、プロモーションなど検討します。これまで検討した想定ターゲットの属性や定義した商品特性を基に考えます。

 

おわり

ケース面接でやるべき3つのこと

今日は戦略コンサルティングファームでよく行われるケース面接について、書いてみようと思います。

 

戦略コンサルで行われるケース面接は、「日本のトラック販売の市場規模は?」「ある老舗パン屋さんの利益を向上させる方法は?」等、前提知識が活用しづらい状況で、どのように問題を解決していくか?を測定する面接形式です。

 

問題が唐突かつ、前提条件が非常に少ない為に、「何をしてよいか分からない」という状況に陥りがちになります。

 

ケース面接でやること3つ

ケース面接でやることは基本的には、3つだと思います。

  1. 論点を確認する
  2. オプションを提示する
  3. リーズニングする

この3つのアクションを細かく、何度も積み重ねていくことで、ケース面接のディスカッションは進行していきます。

 

それぞれ、細かく見ていきましょう。

 

1,論点を確認する

まず、論点を確認する、というのは何に対して答えを出すべきなのか?という点になります。これは、最初の問題文、そのものでもありますし、そこからブレイクダウンされていくものでもあります。

例えば、「利益が増加させるにはどうすれば良い?」が最初の問いです。

次に、「利益の増加」をブレイクダウンすると、「売上の向上」と「コストの削減」に分解されます。そこで、「売上の向上」を考えるべき?、「コストの削減」を考えるべき?と、論点が細分化されていきます。

 

2,オプションを提示する

この論点をブレークダウンしていく際に、オプションを提示していくことになります。「利益を上げる→売上を上げる→単価を上げる」という思考回路はオプションを全く提示していません。思考のテーブルに載っている要素が漏れているので、最も確度の高い答えにたどり着けない可能性があります。

したがって、「利益を上げる」には、「売上を上げる」か「コストを下げる」かが必要です。「売上を上げる」為には、「客数を増やす」か「客単価を上げる」必要があります、、、とオプションを提示する必要があります。

 

3,リーズニングする

オプションを提示しただけでは、議論が前に進みません。「問い」に対する答えも出ません。

必ず、何かに決める/焦点を絞る必要があります。その際に必ず、リーズニングをする必要があります。なぜ、数あるオプションの中から、その選択肢に絞ったか?の理由です。

それは、定量的に分析できることもあれば、社会情勢の動きからそこをフォーカスすべきであったり、常識的に考えてここが一番ボトルネックなのではないか、という理由もあると思います。

大切なことは、「判断した理由を宣言すること/明確にすること」と「カウンターパート(面接官)との間で合意すること」です。

面接官をクライアントだと考えたときに、納得もしていないので勝手に決められては困ってしまいます。

 

以上、3点がケースで意識すべき点であり、ファクトベースコンサルティングと呼ばれるプロジェクトワークの進め方の一端であります。

 

終わり