IT/ソフトウェア業界でのビジネス職キャリア

IT/ソフトウェア業界でのビジネス職キャリアを考える材料を発信していこうと思います。

ケース面接の解き方

前回、ケース面接でやるべき3つのこととして、「論点を確認する」「オプションを提示する」「リーズニングする」という内容を書きました。

ケース面接でやるべき3つのこと - とりあえず書きますブログ

今回は、もう少し具体的に、どのようにケースを進めて行くのかを確認したいと思います。

 

テーマとしては、出題されることが多い、「〇〇(企業名/店舗)の利益を上げる為にはどうすれば良いか?」というテーマで考えてみます。

プロセスとしては、

  1. 論点を確認するための最初の分解
  2. 現状分析による課題の特定
  3. 課題の解決方法の考案

の3つに分けて考えます。

 

1,論点を確認するための最初の分解

ご存知の様に「利益」はプロフィットツーリーと呼ばれる以下の構造に分解されます。

利益が下がるということは、必ず以下の左側8つの要素のどれかに課題があるということです。

f:id:ryan0501:20181021165726p:plain

この左側の8つの要素は、さらに細分化して考えることが可能です。但し、ここから先の細分化は、どのような切り口で検討するのかは、状況によって異なります。

例えば、販売量であれば、以下の様な分解して考えると有効なことがあります。

  • 商品ライン別
  • 地域別
  • チャネル別
  • カスタマーセグメント別
  • 新規/既存、大口/小口などの顧客タイプ別
  • 産業別

価格であれば、定価/バーゲン時の値引き価格、主力商品とサプリメンタリーグッズの価格等に分けて考えると良いかもしれません。

 

コストに関しては、以下の様な分解が効果的かもしれません。

いずれにしても、大切なことは以下です。

  • 細分化する際は、どのように切れば意味のある検討ができるのか?を意識する
  • ある程度の細分化の型は知っておく

2,現状分析の為の課題の特定

最初に1として課題を特定する為のイシューの分解を行いました。次に、この中から、どれが実際に課題であるのかを特定していきます。

ケース面接においては、この課題の分析を定量的に数字を見ながら考える場合と、ある程度予測(仮定)しながら進めていくパターンがあります。

 

いずれにせよ、課題を特定する際に、どのような背景があるのかを検討する際に、既存のフレームワークの枠組みを活用することは、時短効果やヌケモレ防止の為には有効です。よく使うものとしては、包括範囲の大きなものから順番に、PEST、5Force、3C、4Pです。

それ以外にも、マッキンゼーの7Sやアクセンチュアの考案した6バブル等の組織自体を分析する際に活用するフレームワークもありますが、ケース面接での使用頻度は少ないでしょう。

 

まず、一番大きな(包括範囲の広い)枠組みは、PESTと呼ばれるものです。Polytics(政治)、Economy(経済)、Social(社会/生活)、Technology(技術)で、どのような変化があり、それが今検討している課題にどのような(Positive/Negative)なインパクトがあるのかを検討します。

次に、業界構造を分析するのが、5Forceで、自業界の同業種とそれを取り巻くサプライヤーや買い手、新規参入者や代替品業者での動向やパワーバランスから課題に対する影響を確認します。

3C分析はもっとも馴染みがあるもので、自社と顧客と競合を比較し、検討します。ケース面接でも、競合の動向に自社への影響や顧客のニーズやチャネル選好の影響の分析は必ずすることになると思います。

商品戦略というかなり具体度の高いレイヤーにおいては、4Pを意識しておくと楽かと思います。競合と比べて、自社の商品がどのようなポジショニングなのか?機能性やデザイン性などの商品自体の魅力は?値段の高低や、ローン、サブスクリプションなどの工夫を含めた価格戦略は?チャネル展開で差はあるか?プロモーションで差をつけられていないか?等です。

 

以上のフレームワークを、今回の課題ではどのレイヤーで考えるべきなのかを意識して進めます。例えば、街のうどん屋さんは3C分析で良いかもしれませんし、化学品の素材メーカーであれば5Force分析が適しているかもしれません。

これらフレームワークを意識しながら、面接官と何が課題か?をすり合わせます。

 

3,課題の解決方法を考える

課題が特定できたら次に、解決策を考えます。解決策は幾通りも考えられるし、また、ピンとくる解決策が無い場合も多いかと思います。

ここで、まず大事なことは、解決策を考える要素と順番です。

利益の減少に対して、売上を向上する必要があった場合を考えます。考えるポイントは、Who(誰に?)、What(何を?)、How(どうやって?)です。この3要素を、基本的にはこの順番で考えていきます

売上を上げる際に、まずWho/誰をターゲットにするのか?を考えます。まず、最初にターゲットを定義しないと、何を提供してよいのか分かりません。売上向上に繋がりそうなターゲットとそのニーズを明確化するのが第一歩です。

 

次に、What/何を提供するのか?を考えます。これは、Who?で特定したターゲットのニーズに沿うものである必要があります。ケース面接のレベルであれば、想像できる範囲で想定ターゲットの課題や悩みを列挙し、提供価値を検討します。

 

最後に、How?/どのように価値を提供するのか?です。これは、商品・ソリューションをどのように顧客に届けるのがベストなのかについて、価格面やチャネル展開、プロモーションなど検討します。これまで検討した想定ターゲットの属性や定義した商品特性を基に考えます。

 

おわり