デジタルビジネスの考え方(組織構築)
世の中みんながデジタル、デジタル、デジタル事業を作りたい、と言っている中で、実際にそれに成功している企業は少ないものです。特に、出自がデジタルである企業(FacebookやGoogle,Amazonなどのような企業)以外がデジタルビジネスで成功するのはとてもハードルが高いように見えます
デジタルビジネス立ち上げの論点
デジタルビジネスを立ち上げる事を考えたときにどのような論点があるのか?
まず、大上段では以下の4つがポイントになってきます。
- 技術
どのような技術が必要?どうやって開発、獲得する? - ビジネスモデル
どのようなビジネスモデルを構築するのか?するべきか?ケイパビリティ - ケイパビリティ
デジタルビジネスを構築するうえで必要なケイパビリティは?どうやって獲得する? - 組織構築
デジタルビジネスを推進するうえで最適な組織は?
組織構築に関する示唆
以下は、これまでのインターネットビジネス等に関わった経験を踏まえた、組織構築に関する示唆です。
- スモールチーム重視
・デジタルビジネスの推進に当たっては、スモールチーム。Amazonのベゾスの言うところの「ピザ2枚分」の人数。
・デジタルビジネスにおいては、人数の多さが事業のスケーラビリティに大きくは寄与しない(特に初期)
・それよりも、少人数でエッジの効いたプロダクトをリーンに開発し、プロダクトを進化させていくことが重要 - 現場への権限委譲
・デジタルビジネスにおいては、ストラクチャーでのトップダウンでの事業開発との相性が悪い
・変化が激しすぎて、現場の情報をトップまで伝達し、トップレイヤーで分析・意思決定する時間がない
・「トライ」するコストが大きく低減したため、現場に権限を委譲し、高速でPDCAを回した方が得 - 「正しさ」よりも「楽しさ」
・製造業においては、コモディティ化が進展。あらゆるものがすぐに陳腐になるため、「感性による差別化」が必要。論理性よりも、過去の経験を含め、統合的に考えること、直観を大切にすることが有効
・「腹落ち感」を高め、従業員が自分事として事業に参加できるように。少人数チームでは、一人一人のコミットメントが重要
・「楽しさ」により、組織の人材獲得力も向上 - 出島制度の活用
・人間とその感情と慣習の集合体である組織は急に変われない
・慧眼あるリーダーとともに、少数の出島組織を作る。そこで、デジタルビジネスに最適な人事制度設計を実施
・ビジネス拡大とともに、組織を拡大。本体からも適宜、人を異動させ、会社単位のデジタルケイパビリティを高める